過去の経営事項審査制度において、海外支店の経営実績については日本の親会社の経営事項審査の際に評価対象とされていましたが、海外にある子会社の経営実績については法人格が異なることから評価対象とされていませんでした。
日本の建設業者が海外で建設工事を受注しようとする際には、現地での規制によって子会社を設立し、現地に根付いた事業活動を行う必要があります。
ところが、かように建設業者の活動範囲が国内外を問わず拡大している中にあって、外国子会社についてはその経営実績を評価する仕組みがなかったことから、その経営の実態を適正に評価していくことを求める声が高まり、以下のとおり建設業者の外国子会社の経営実績を評価対象に含めることとなりました。
日本の親会社及び外国子会社の経営規模に係る次の数値について、国土交通大臣に申請し、認定を受けた場合には、当該数値を評価の対象となります。
- 外国子会社の完成工事高(X1)
認定を受けた外国子会社の建設工事の種類別完成工事高を合算し、算定する。
ただし、親会社(外国子会社経審の申請者)と認定を受けた外国子会社間の取引及び外国子会社相互間における取引による完成工事高については、額の算定に含めません。 - 親会社及び外国子会社合算の自己資本額(X2)
親会社(外国子会社経審の申請者)、認定外国子会社の自己資本の額を合算し、算定する。 - 親会社及び外国子会社合算の利払前税引前償却前利益の額(X2)
親会社(外国子会社経審の申請者)、認定外国子会社の払前税引前償却前利益の額を合算し、算定する。
なお、完成工事高(X1)については外国工事経歴書や工事経歴書に記載された工事に係る工事契約書の写しによって確認をされます。利益額及び自己資本額(X2)については、合算処理が適正に行われた旨の公認会計士又は税理士による証明が必要となります。